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おひさま 松本市 観る

大正ロマン漂う校舎が文化会館に|旧制松本高等学校|松本市

旧制松本高等学校は、大正時代の木造洋風建築の校舎の一部が今も保存され、そのまま活用されているめずらしい例の建物。学校建築史上貴重な建築物として、平成19年に重要文化財に指定されました。

保存されている建物は、NHK朝ドラおひさまのロケ地として、撮影にも使われた建物です。

現在では、教育文化施設としてサークル活動、コンサート、展示会など幅広く活用されています。
記念館以外は無料で自由に見学することもできます。

場所や行き方などは、あがたの森公園と同じなので、そちらを参考にしてください。

本館の前にある、あがたの森文化会館の案内看板

平成10年度の利用者は177388人だそうです。

【開館時間】
文化会館 9時~22時(日曜日9時~17時)
図書館 10時~19時(土・日曜日10時~17時)
旧制高等学校記念館 9時~17時
【休館日】
毎週月曜日、12月29日~1月3日、国民の祝日

館内の全体図

本館の向かい側にあるのは講堂

別角度から

コンサートや展示会など幅広く活用できます。

建物の特徴
 建物は、西洋建築様式を簡略化して応用した洋風木造建築で明治時代の末期から大正時代前期にかけての代表的作例といわれており、明治期のナンバースクールの中央入り左右対称形ではなく隅入りコの字型である。本館の入口は道路に直面していて明治期の権威的で荘重な表現から機能的で親しみやすいものとなっている。また、玄関正面の万サード屋根、窓の配置、講堂屋根上の換気用小塔に意匠的工夫がこらされている。
~旧松本高等学校パンフレットより~

本館を入ってすぐのところにある階段

なかなか絵になる階段です。

真正面から

希望に満ち溢れた感じがします。

階段も良く見ると凝ったデザインになってます。

柱の部分も細かい模様があります。

階段のあるところの天井にはシャンデリア

コンセントは木目調

大正ロマンのイメージを壊さない工夫ですね。

天井もおしゃれ

廊下の電気がついている天井もちょっと凝ったデザイン

ドアノブもこれまた歴史を感じます。
ザ・鍵穴!!鍵穴らしい鍵穴です。

1階の入口側から見た復元校長室の方の廊下

廊下はちょっと狭い?走ると危険。

復元校長室

自由に入って見学できます。

 校長室の広さは、4間×4間の16坪であり、小さな会議が開けるようなゆとりがある。旧制高等学校の校長は、文部省によって選任され、かなりの権限を有していたが、その教育は、文部省つまり国家の意向とは異なり、校長や教師そして生徒の自覚によって、自治と自由を重んじつ先進的なもので、いわば自由・平等・友愛の理念が息づく学園であった。

 松本高等学校は、大正8年9月に開校し、校長室のある本館が完成したのは、大正9年8月であった。初代校長茨木清次郎は、在任期間2年6ヶ月中この校長室での執務は、1年2ヶ月に過ぎない。大正10年9月に特別教室棟が、対象11年8月に講堂が完成し、落成祝賀式を行ったのは、第2代校長大渡忠太郎であった。ヒマラヤ杉(現在59本)の植樹など、植物学者としての才覚を活かした造園に取り組んで高原の学び舎という環境を造成し、自由闊達な校風の創成に力を注いだ大渡校長の功績は大きい。

 4代校長のあたりから、のびのびとした松高にも激動の時代を反映した左翼思想事件などの様々な事件も起き、校長にとっての苦悩の時代に入るのであるが、校長室の椅子に座ってかつての松高時代を偲び、何かを感じ、そして学び取るようにしたい。
~旧松本高等学校パンフレットより~

校長室の真ん中には、ちょっとした会議に使えそうな椅子と机

明かりはもちろんシャンデリア

校長先生の椅子と机

座ると校長先生気分になります。

鏡台のようなもの

鏡の両脇には3つずつフックがついており、服や帽子なんかをかけられるようになっています。
下は収納スペース。

今度は1階の南棟の方へ向かってみます。
正面玄関のすぐ脇には、ブックポストと街頭端末、パンフレット置き場があります。

許可を得れば、パンフレットを置いてもらえるようです。

図書館で借りた本を返却するブックポストと松本市総合行政情報がわかる端末が設置されています。

あがたの森図書館

学校の図書館といった感じで、それほど広くはありませんが
窓や腰壁の造りがいい雰囲気の、あたたかい感じの図書館。

こちらは子供図書スペース

靴を脱いで、ゆったり読書ができます。

1-1の方から見た廊下風景

校舎の南側は教室がずら~り。

復元教室

ちなみに「理科第三学年乙組」
天才ばかりが集まっていそうなカタイ組名です。

教室の中の様子

教卓には説明書き

 この教室の大きさは、木造建築の基準である4間×5間で、戦前の小・中・高校の普通教室の標準の広さであり、現在の教室から見れば、やや狭いと言えよう。クラスの定員は、40名であるが、昭和9年から13年までの入学者の定員は、経済不況を考慮して30名に減らされている。

 松本高等学校と同じく第一期地名校のクラス編成は、文甲・文乙・理甲・理乙の4クラスであったから、普通教室は、本館の1階に5教室、2階に7教室の12教室が設置されている。第二期地名校からは、文科か理科の1クラスが増え、1学年5クラスの編成となったので、本館には、15教室が設置されていた。

 日本の学校建築では、明治の末ごろからは、保健的見地から普通教室を南面させるよう、次いで東面させるように指導されている。したがって、隅入りコの字型の本館の平面は、この原則が基本に設計されている。

 明治になっての日本の学校教育では、学業成績による順位付けが重視され、教室の座席も成績順で決められることも多く、その伝統が維持されていた高等学校もあったようだが、松本高等学校では、氏名の五十音順で座席が決められていた。小さい奴が後ろに隠座し、大きい奴が最前列で鎮座したり、ちぐはぐでユーモラスな風景が感じられた。

教室の明かりは裸電球1つだけ

校長室のシャンデリアの1つを分けてあげたい。。。

机と椅子は合体型

これなら椅子をガタガタさせることができなくて、落ち着きの無い子にはバッチリ。(そんな子は、松高に入れないでしょうけど。)
でも、掃除の時は大変そう・・・。

机の上にはドリンクホルダーみたいな溝があります。
何のためでしょう?

鉛筆が置けそうな細長い溝も気になります。

廊下側には格子の窓が一つ。

よく見ると防犯カメラ付き。

黒板に落書きする人がいるみたいです。
重要文化財なので、落書きは絶対いけません。

廊下には体操服などをかけられるフックが人数分ついてます。

何気に再現内容が細かい。

トイレは南校舎の中間あたりにあります。

とってもきれいなトイレ。
身障者用にはベビーシートも完備されています。

温水洗浄便座、センサーライト・・・と、トイレ機能は現代風ですが、壁やドア、天井などは大正の香り。

1階の奥には、生徒課と生徒主事室

階段を登って2階へ・・・

2階の置くにあるのは、会議室と歴・心教官室

2階の廊下

2階の廊下からは、中庭がよく見えます。

青少年の居場所

青少年が気軽に集まって安らげる場所だそうです。

松本市内には、6ヶ所の青少年の居場所があり、あがたの森文化会館もその一つ。
施設によっては、スポーツができる施設もあるようですが、あがたの森文化会館は、学習専用です。
この校舎で勉強すれば、受験勉強も捗るかも?

※使用する場合は、必ず公民館(事務所)の窓口に寄って手続きをしてください。
毎週 火~金曜日 午前9:00~午後7:00
毎週 土・日曜日 午前9:00~午後5:00

本館には立派な中庭があります。

ここにある門は特別。

5箇所にあった門も今ではたったひとつしか残っていません。

解体撤去されて野積みされていたのを復元したそうです。

中庭で、ひときわ目をひく銅像

まぶしい~っ!!

中庭はちょっとした迷路のよう。

奥のほうにも、肩に鳥をのせて気どっている銅像
その名も「岳人」

中庭から見た文化会館

中庭から見た旧制高等学校記念館

旧制高等学校記念館

校舎に保存していた資料の調査・保存のために建てられて記念館です。

2階は展示室になっています。

【開館時間】午前9時~午後5時(最終入館4時30分)
【休館日】月曜(祭日の場合は翌日)、12/29から1/3
【入館料】大人300円、小人(中学生以下) 無料

1階の入口には、学生の銅像がお出迎え。

記念館の1階はギャラリーと喫茶店になっています。

喫茶店

ちょっと小腹が空いたら寄ってみましょう。

あがたの森文化会館パンフレット(PDF)
【TEL】0263-32-1812
【FAX】0263-33-9986

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白馬高校|白馬村

スキーのモーグルで有名な上村愛子さん出身高で有名白馬高校。学校のある白馬村は長野オリンピック時にも競技会場でした。学校はJR白馬駅の側です。