諏訪大社の御柱は山から曵行されて里へ出てきますが、何トンもある巨木を人力で引くため組織として取り組まなければ達成することはできません。
企業活動から子供のおままごとまで複数人が集まって何かを成し遂げるには、各個人の役割と責任範囲が明解になっている必要があります。
御柱の曵行もかなり詳細に役割が分けれていました。
今回は腕章をもとにご紹介です。すべて下社春宮一の御柱を曵行していた人たちです。
諏訪大社 大総代
プロデューサー的な方だと思います、基本的には指示なども出さない感じで曵行の最終責任者。
曵行長
腕章の写真が無いのですが、担当の御柱を予定通り安全に進めるための指示を出していました。
木遣り副団長
団長の方が見当たらなかったのですが、御柱を動かす重要なタイミングをキュー出しを行うのが、木遣りですので時間通りの曵行に責任がある感じです。
副曵行長と曵綱係
曵行長の代わりで、基本的には曵行長の指示命令で動いていますが万が一は曵行長の役割を行う方。
写真
こちらの方も曵行から木落としまでの写真などを撮影するそうです。
曵行安全係長と専任委員
安全に気を配る人という感じです。専任委員は支給されたおんべを振るなどの役割があります。
顧問
出ました顧問、大きな企業で必ずある顧問です。とくに役割責任は無さそうです。
曵綱係
カーブを曲がるときなど、単純に綱を曳けば良い訳でないので現場で細かい指示を出してました。
元綱
御柱のもとについている、太い綱を曳く方達です。御柱の動き出しや木落とし時などかなり重要な役割責任があります。
御弊奉持者
紙のヒラヒラがついた標識を持つ方です、体力勝負というより御柱の神そのものなので精神的な苦労がありそうです。落した、壊した、汚したがあってはならない役割です。
梃子係長
御柱の方向転換など操舵の役割を担う方々をまとめる方です。
梃子係
実際に梃子に使う木の棒を使い、御柱の操舵を行います。
追掛綱
御柱の後ろにも綱がついています、速度の調整や車で言う後輪の操舵などこれまた重要な役割です。
木作り
曵行には関係がないのですが、御柱の加工をするかたです。下社では樹皮を剥ぐ、綱を結ぶ加工、節などの除去など御柱本体に手を加えられる唯一の仕事です。
ミスが許されないたいへんな役目です。
当日確認が出来た役割をご紹介しましたが、かなりたくさんの人が奉仕をしていることがわかりました。
完全な縦割社会になっており、それぞれが文句を言うこともなく作業に当たる姿はなかなかでした。