今にも動き出しそう・・・。
館内はどこもきれいに手入れされていますが、動態保存を目的に移築された、ここはまた格別。
大正14年から平成7年まで操業していた、繭から生糸をひく製糸工場を、
設備・機械類も含め、下諏訪町から移築したそうです。
昔ながらの技術で生糸をひく実演も、定期的に行われています。
住所:長野県松本市大字島立2196-1
電話:0263-47-4515
開館時間:午前9時から午後5時 (入館は4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は、当日開館し翌日が休館)・年末年始(12月29日から1月3日)
入場料:大人(高校生以上)400 円 小人(中学生以下)無料
交通: アルピコ交通大庭駅→徒歩15分
長野道松本ICから国道158号経由1km3分
[googlemap lat=”36.231582″ lng=”137.93374″ align=”undefined” width=”575px” height=”300px” zoom=”14″ type=”G_NORMAL_MAP”]長野県松本市島立2196−1[/googlemap]
右手は(4)の「展示・休憩棟」。
真ん中煙突の建物が「ボイラー室」。
そして左が製糸場です。
近づいてみましょう。
この赤い屋根は、遠くからも見えました。
入口案内板。
輸出用(ストッキング)でなく、国内(着物地)用の「太糸」を生産していた、
当時の典型的な小工場だそうです。
「煮繭」(しゃけん)と読みます。
糸のほぐれをよくする作業です。
使いこまれた札や、時計もそのままで、
明日から、またみんな出勤してくるかのような雰囲気・・。
トイレ。
使用されていませんが、当時のまま。このつくり、なつかしい・・・。
右奥は「選繭(せんげん)」という作業に使われたかご。
良い繭だけで糸ひきできるように、虫の害を受けた繭などを左の木の箱に分けてあります。
向かいのスペースにはいろんな道具が山積されてます。
どれもあじがあります。
「玉繭繰糸」
玉繭とは蚕が2頭で一つの繭をつくった際の「規格外の繭」のことだそうです。
「玉繭だけだと糸がうまくつながらないから、普通の糸も混ぜてひく」
のだそうです。
「繰糸」とは、繭から糸をひきだしその何本かをあわせて1本の生糸にすること。
一人一人の椅子に座布団が置かれてます、
が、長時間は大変そうですね。
近づいてみます。
右上にかけられている札は、時計の下にあった札のようです。
鍋のお湯は90度もあるのだそう。
小さな器に水をため、時々指先を冷やしながら糸をひいていたそうです。
どの道具も見とれるくらいきれいだなあ・・・と感じつつ・・・、
糸ひきは、とても根気のいる、大変な作業の様にも思えました。
掃除道具の塵取りなどは、当時のまま、今も使用されている感じでした。
「束装(そくそう)」とは、生糸をまとめ、決められた重さの「括」にすること。
しめくくりの大事な仕事だそうです。
そして「検査」。
決められた糸の太さになっているか、毎日成績が発表されたそうです。
「セリプレーン検査器」というそうです。
生糸の品質を検査しました。
養蚕から、製糸、布になるまでの過程は、本当に複雑で、
多くの専門家の手が必要でした。
今の「使い捨て」の時代には見えないことがたくさん詰まっている気がします。
年に何度か行われている糸ひき体験の講座、
当時の器具をそのまま使って、という体験は他ではなかなかできないことでしょう。
一度是非参加したいものです。
さて次は製糸工女たちが大勢宿泊していたという「工女宿宝来屋」(松本市重要文化財)へ続きます。