松本市重要文化財です。
明治から大正にかけて、飛騨地方から諏訪・岡谷の製糸工場へ向かう工女たちが大勢宿泊したそうです。
見た目よりもずいぶん広い宿の中。
道具類もそのまま保存されており、当時の山里の暮らしが窺えます。
住所:長野県松本市大字島立2196-1
電話:0263-47-4515
開館時間:午前9時から午後5時 (入館は4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は、当日開館し翌日が休館)・年末年始(12月29日から1月3日)
入場料:大人(高校生以上)400 円 小人(中学生以下)無料
交通: アルピコ交通大庭駅→徒歩15分
長野道松本ICから国道158号経由1km3分
[googlemap lat=”36.231582″ lng=”137.93374″ align=”undefined” width=”575px” height=”300px” zoom=”14″ type=”G_NORMAL_MAP”]長野県松本市島立2196−1[/googlemap]
こんな感じ。
すべて雨戸が閉まるよう設計されているようです。
さらに裏から見るとこんな感じで、屋根の上には石が置かれています。
「石置き板葺き屋根」というそうです。
縁側のところでは、「建築ワークショップ」が行われていました(要・予約)。
案内板に平面図もあります。
写真・真ん中の女性は、工女に慕われていた宿のおばあちゃんのようです。
入口に入る前に「厠」はありました。つまり、外です。
手洗い場も残っています。
こちらは、外でなく、入口・雨戸の中にある「馬屋」。
かなり広いスペースです。
玄関。広い!
出入り部分は、かなりすり減っていて、本当にたくさんの人が、ここを利用したことを肌で感じます。
玄関周りには、つい最近まで使われていたような道具がずらり・・・。
この広い土間は、玄関や台所や道具置き場・・いろいろ兼ねていたのでしょう。
野麦峠の冬は大変だったことでしょう。
実際はもっとたくさんここにかかっていたのでしょうか・・・。
すべて手作りの時代。
濡れたものをここで乾かしていたのでしょうか。
「小部屋」にはたくさんの道具類。
臼があります。蕎麦を挽いたのでしょうか。
「いどこ」と言うそうです、この空間。
囲炉裏が二つきってあります。
工女たちで賑やかだったのでしょうか。
「いどこ」の引き戸、次の間?押し入れ?
と思いきや、開けると階段!
2階へ続いています。
「寝べや」の札。
そう、寝室、というよりまさに寝べや、という言葉がぴったり。
大勢の工女がここで疲れを癒したのでしょう。
薄暗い中、障子明りが何とも風情がありました。
また1階に下りてきました。
「本座敷」「座敷」とメインの部屋が2部屋。
そして、「中の間」「板の間」とあります。
一角で、糸紡ぎ体験できます。
なぜか、座布団とセットで「おかみさん用てぬぐい」が置いてあります。
旅館ならではの品もあるのでしょう。
どれも、いぶされ、使いこまれ、あじがあります。
外に「野麦峠工女碑」がありました。
少女たちの姿が何ともいたたまれません。
この宿も「工女哀史」の一つなのですね。
では次はシリーズ最後の「木村尚江生家」へ行ってみましょう。